心停止を告げるフラットラインの音は、肉体的な衝撃となって襲いかかった。それはテント内の湿った空気を切り裂き、発電機の低い唸りを突き抜け、遠くで響く砲声さえもかき消した。それは執拗で、単調な、非難の旋律だった。
お前が選んだ。そして間違えたのだ、と。
「くそっ!」 私は叫んだ。喉が裂けるような声だった。「Sam、パドルを!今すぐ!」
私は目の前に立ち塞がるCaptainを突き飛ばした。今の彼はただの障害物に過ぎない。危機の真っ只中に立ち尽くす、巨大で動かざる石像だ。私は処置台の軍曹に向かって身を投げ出した。
「エピ、2アンプル!早く!」 私は怒鳴った。
血に染まったシーツを剥ぎ取り、男の胸に両手を置く。心臓マッサージを開始した。一、二、三、四。手のひらの下で軟骨が砕ける嫌な感触を覚えながら、強く押し込む。持てる力のすべてを、苛立ちのすべてを、そして恐怖のすべてを、そのリズムに叩き込んだ。
生きなさい。生きるのよ。あなたは安全な選択だった。理屈ではそうだったはずよ。
「チャージ完了!」 Samが震える声で叫んだ。
「離れて!」
私は身を引いた。処置台の体が、電流を流し込まれて激しく跳ね上がる。それは生命の躍動とは程遠い、不気味で無残な模倣だった。
モニターに目をやる。依然としてフラット。アラームが鳴り響いている。
「もう一度!」 私は叫び、再びマッサージに取り掛かった。「もう一度チャージ!300ジュール!」
腕が焼けるように熱い。汗が目に入り、刺すような痛みで視界が遮られる。世界はモニターと、手の下に横たわる死人だけに狭まっていた。
「離れて!」
再びの衝撃。再びの激しい痙攣。……何もない。ラインは微塵も揺れなかった。
私は再び心臓マッサージを始めた。すでに止まることを決めた心臓を、無理やり動かそうとポンプし続ける。「お願い」 私は歯を食いしばって囁いた。「こんなところで私を見捨てないで。今じゃない。彼の前でだけは」
私はもう、単に患者を救おうとしていたわけではなかった。自分の世界観を守ろうとしていたのだ。トリアージという冷徹な計算が正しいことを証明しようとしていた。私は目隠しをして神の真似事をしていたわけではないのだと。
「Doctor……」 Samの声は静かだった。「Doctor、5分経過しました。リズムが……戻りません」
私は手を止めない。「黙って」
「Doctor、彼は亡くなりました」
私の手が凍りついた。肩で息をし、胸が激しく上下する。モニターを凝視する。その音は鼓膜を劈くようだった。
男の顔を見た。半開きの目は天幕の天井を見つめ、何も映してはいなかった。彼は逝ってしまった。「救えるはず」だった男。私が優先した男。
私はゆっくりと上体を起こした。手が震えている。その震えを隠すために、スクラブのポケットに深く手を突っ込んだ。
「死亡確認」 私は囁いた。自分の声が深い井戸の底から響いてくるように聞こえた。「18時43分」
Samが手を伸ばし、アラームを止めた。突如として流れ込んできた静寂は、それまでの騒音よりも重く、私の鼓膜を圧迫した。
中身をすべて抉り取られたような気分だった。空っぽに削り取られた。7年間の医学部、3年間のレジデント、そしてこの地獄のような場所での2年間……そのすべてが、見知らぬ誰かの返り血を浴び、完全な敗北を喫してここに立ち尽くすためだったのか。
私は振り返った。
彼はまだそこにいた。Captain Michael Vance。彼は一歩も動いていなかった。少年のMillerを腕に抱いたままだ。だが、彼はMillerを見てはいなかった。
私を見ていた。
その顔から怒りは消えていた。威圧感も消えていた。代わりにあったのは、深く、静かな絶望の色だった。そして……それ以上に耐え難いもの。
憐れみだ。
彼は私を憐れんでいた。私の理屈が崩れ去るのを、彼は見ていた。私の傲慢が敗北するのを見ていた。彼は私を、血に汚れた白衣を着た詐欺師として見ていたのだ。
「彼はまだ息をしています」 Michaelが言った。
その声は穏やかだった。彼は腕の中の少年を見下ろした。二等兵のMillerは、かろうじて命を繋ぎ止めていた。浅く、途切れ途切れの喘ぎを漏らしながら。彼は計算を拒絶していた。私を拒絶していた。
私は二人を見た。巨躯の兵士と、壊れかけた少年を。
その瞬間、私の中で何かが弾けた。それは精神の崩壊ではなく、私が築き上げてきた壁の構造的な破綻だった。理屈、プロトコル、感情的な距離――それらすべてが崩れ落ち、塵となった。
計算は通用しなかった。ルールも機能しなかった。ならば、ルールなど知ったことか。
どうせ負けるなら、戦って負けてやる。理屈が私を裏切ったのなら、その逆を試してやる。狂気に賭けてやる。
私は彼に向かって歩き出した。足取りは重く、だが断固としていた。彼の数インチ手前で立ち止まる。血の鉄錆の匂いと、彼の汗の塩分が混じり合った匂いがした。
Millerの脚を見下ろす。それは惨憺たる有様だった。あまりに無残な代償。それからMichaelを見上げた。
「彼をテーブルに」 私は言った。
声はかろうじて囁きに聞こえる程度だったが、静まり返ったテントの中では、銃声のように響き渡った。
Samが息を呑んだ。「Doctor? でも……さっき……彼は『Black Tag』だと。あなたはそう――」
「自分が何を言ったかは分かってる!」 私はSamに向き直り、目を燃え上がらせた。「そして、私が間違っていたの! プロトコルは死んだのよ、Sam。あっちのテーブルにいる男と同じようにね。だからプロトコルなんて捨ててやるわ」
私はCaptainに視線を戻した。彼は動かず、私の顔を凝視していた。私が正気を失ったのかどうかを確かめようとしているようだった。あるいは、本当に失ったのかもしれない。
「言ったはずよ、彼をテーブルに」 私は命じた。声に力が宿り、向こう見ずで必死なエネルギーが私を突き動かす。「今すぐ!」
Michaelは瞬きをした。そして、彼は動いた。亡くなった軍曹の脇を通り過ぎ、この上なく慎重に、細心の注意を払って、二等兵のMillerを手術台に横たえた。
「Sam」 私は汚れた手袋を脱ぎ捨て、新しいペアを掴みながら鋭く命じた。「救急カートを準備して。エピ、アトロピン、ドーパミン。止血鉗子をあるだけ全部。それから、ノコギリを持ってきて」
「ノ……ノコギリですか?」 Samが裏返った声を出した。
「脚は救えない」 ラテックスの手袋をパチンと手首にはめながら私は言った。「でも、もしかしたら……もしかしたら、この子は救えるかもしれない」
私はMichaelを見た。「そこをどいて、Captain。あとは祈ってて」
私はメスを手に、手術台へと踏み出した。私はもう機械ではない。死そのものを相手に、勝ち目の薄い戦いに挑む一人の必死な女だった。
「オペを始めるわ」 私は言った。「今すぐに」
